映画「美代子阿佐ヶ谷気分」を観たんです

観たので一応書いておきます。
この映画は1970年代、阿佐ヶ谷に暮らしながら、自身の体験をもとにした漫画をかいて、一部からカルト的な人気を集めた漫画家・安部愼一の半生を描いた作品です。彼の作品は私小説ならぬ私漫画と呼ばれ、後のサブカルチャーにも大きな影響を与えたそうです。
ちなみに私は、安部愼一という漫画家も知らなければ、彼の漫画も読んだことがありませんでした(原作の「美代子阿佐ヶ谷気分」はチラシに載っていたのを読みました)。そもそも普段から漫画をあまり読まないし、こういうサブカルっぽい雰囲気というか感触のものはちょっと苦手なんです。けど阿佐ヶ谷が舞台だし、主演の水橋研二はすごく好きな俳優なので、ちょっと観てみようかなと思って映画館に足を運んでしまったわけです。運んでしまったのです。
まあお察しのとおり、結論から言うと、私の好きな映画ではありませんでした。まず全体的にいかにもサブカルチャーをブイブイいわせた演出にまったく馴染めませんでした(完全に個人的な体質の問題)。役者の髪型や衣装は漫画からそのまま抜け出たような完璧な作り込みで、カメラの構図もまさに漫画的。役者はアニメ声優のように、ねちっこく言葉を発します。そのセリフもことごとく漫画的(おそらくきわめて原作に忠実)。
この映画には「美代子阿佐ヶ谷気分」以外にも、たくさんの安部愼一作品が盛り込まれています。それらの作品を時系列順に役者が演じ、安部愼一の半生を追憶するという構成なんですが、こういうことして何が楽しいだろうって考えてしまいました。ノスタルジーでしょうか。80年代生まれの私にはそれは無理です。それとも、よほど安部愼一が好きで、彼の作品を世に紹介したいということでしょうか。悪い意味で原作を読みたくなりました。
原作ものの映画のあり方っていうのは、いつだって熱く議論が交わされるところですが、個人的にはやっぱり作り手の独自の解釈や再構築が欲しいなと思います。新しい作品を産み落とすわけですし、全て借り物のまま、綺麗に焼きまわしするんじゃつまらないんです。その点、主演の水橋研二も出演していた「青い車」(よしもとよしともの漫画が原作)はすばらしかったなと思います。
ちょっと辛口で失礼致しました。最後に他のブログのレビュー記事をリンクしておきますので、ご参考に。






