西村佳哲「自分の仕事をつくる」

西村佳哲さんの「自分の仕事をつくる」を読みました。最近文庫版が出たばかりのようで、丸善の新刊コーナーに置かれていました。
著者の西村さんという人は、デザインの仕事をする傍ら、あらゆる職場を訪ね、仕事についての取材・研究を続ける自称・働き方研究家だそうです。
この本は、著者が尋ねた仕事現場の紹介と、そこで働く人へのインタビューで大部分が構成されています。社会人として何かしらの仕事に携わるようになれば、仕事ってなんだろう、自分らしい仕事をするにはどうすればいいだろう、なんていうことを誰しも考えたことがあると思います。
そもそも仕事っていう言葉は、とても抽象的というか守備範囲がひろくて、使い方次第でいろいろなニュアンスで用いられます。仕事の捉え方、考え方は人それぞれであり、この本で語られる仕事観も、語る人によって様々です。
他人の仕事観を知ることで、自分らしい仕事をして生きていくヒントが見つけられるかもしれません。仕事っていうのは言うまでもなく人生の大きな部分を占めるものだし、社会との関わり方にも大きな影響をもたらすもの。読みながら自分自身について考えを巡らせることができます。
この本で取材されているのは、主に著者と同じ畑のデザイナーやアーティスト系の方がほとんど。できるだけ多種多様な価値観やモデルを取り込みたいと考える自分には、ちょっと残念でした。取材対象が偏狭な点は他でも指摘があるらしく、著者は本書のあとがきでその点について補足説明しています。
成功者が語る理想論。ちょっと浮世離れしていて現実感が感じられないところは拭いきれませんが、その点を差し引いても内容は面白いし、得られるものは多いと思います。また違う職場を取材した新刊が出たら読んでみたいです。
- 1 働き方がちがうから結果もちがう
- 八木保さんをサンフランシスコに訪ねる
- 象設計集団を北海道・帯広に訪ねる
- 柳宗理さんを東京・四谷に訪ねる
- IDEOのボイルさんをパロアルトに訪ねる
- パタゴニア社をベンチュラに訪ねる
- ドラフトの宮田識さんを東京・恵比寿に訪ねる
- 小林弘人さんを東京・お茶の水に訪ねる
- 2 他人事の仕事と「自分の仕事」
- 植田義則さんのサーフボードづくりを訪ねる
- 甲田幹夫さんのパンづくりを訪ねる
- ヨーガン・レールさんのモノづくりを訪ねる
- 馬場浩史さんの場づくりを訪ねる
- ファインモールド社のプラモデルづくりを訪ねる
- 植田義則さんのサーフボードづくりを訪ねる
- 3 「ワーク・デザイン」の発見
- 補稿 10年後のインタビュー
- 馬場浩史さんを益子に訪ねる
- 甲田幹夫さんを上田に訪ねる






