画家 岸田劉生の軌跡

妖艶に微笑む少女の肖像画「麗子微笑」で有名な岸田劉生の展覧会に行ってきました。
学生時代からずっと好きだった画家なんですが、まとまった作品を一度に観るのは今回が初めて。画集などで眺めた数々の作品を実際にこの眼で見ることができて、ここ最近ない多幸感に包まれました。
劉生は十代で黒田清輝に師事し、ゴッホやセザンヌなど印象派の影響を受けた優れた作品を発表しました。しかし劉生はその後、写実に傾倒し、「内なる美」を追求した緻密な作風へと変化していきます。その変貌と進化の歴史は友人たちをモチーフにした肖像画、同じ構図で何枚も残されている自画像、また病気をして自宅療養中に描くようになった静物画などに見ることができます。そして晩年の劉生がたどりついた境地が、東洋の美、特に日本古来の美でした。愛娘をモデルにした麗子像では、「内なる美」と東洋的な神秘性がとてつもない凄みとなって表れています。
劉生のように次々と作風を変えていった画家の作品をまとめて体系的に鑑賞する機会は貴重ですし、なによりとても楽しいです。きっとみさなん一度は教科書などで見たことのある作品があると思います。絵画に興味のある方にはおすすめします。9月7日まで、ニューオータニ美術館です。







